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ポートフォリオの作り方

このエントリーではポートフォリオとは何か、構成要素、注意点など基本となる考え方をまとめておきたい。

応募の際の必須資料

ポートフォリオとは、本来は紙ばさみという意味で、紙ばさみにいろいろな書類がはいっているイメージである。一般的にポートフォリオは金融資産の資産配分の意味でつかわれる。

デザイナーのポートフォリオであれば、デザインや技術スキルをアピールするための作品を集めたもの。自分のプロフィール、強み、得意なものを相手(就職先の担当者、クライアント)に知ってもらうツールである。

Webデザイナーであれば、ポートフォリオサイトをつくろう

Webデザイナーの場合、ウェブ上でみられるポートフォリオサイトと紙ベースのポートフォリオの二点をつくる必要がある。先にポートフォリオサイトをつくったほうが良い。

ポートフォリオサイトは書類選考の際の武器になる。紙ベースのポートフォリオは面接のときに持参する。ただし、面接でも、プロジェクタが設置してある会議室で行われる場合は、ポートフォリオサイトを使ってプレゼンすることになる。

面接でWebが使えない場合は、紙ベースのものを用意するか、大型のタブレットを用意して見せるとよいだろう。

ポートフォリオが必要なのは就職のときだけでない。転職の際や独立したあとの売り込みでも重要なツールになる。

自分がどういう制作者で、どういうことが出来るのかを伝えるサイトは必要になる。結局、フリーや独立した時にも自分のポートフォリオサイトが必要になる。

ポートフォリオ作りに参考になる本

新卒者向けの本になるが『採用担当者の心に響くポートフォリオアイデア帳』は実際に学生がつくったポートフォリオ実例50点を詳細な解説付きで紹介している。『ポートフォリオ見本帳』も同様な趣旨の本で、44点の実際のポートフォリオの実例と採用担当者のインタビューを紹介している。

ポートフォリオの構成要素

ポートフォリオの構成要素としては、以下のようになるだろう。制作期間、スタッフ人数、数字は必須項目ではないが、書いておくと説得力や客観性が増す。

  • 作品名
  • 作品のスクリーンショット
  • 担当箇所(これはなるべく詳しく明確に、正直に)
  • コメント(こだわった点、強みのポイント、作品の背景や意図)

——↑ここまでが必須項目!——-

  • 製作期間
  • スタッフ人数
  • 実績数字(ページ数、アクセス数、売上実績など)

コーディング担当志望の場合だと、ソースコードも作品になる。ディレクター志望や経験者の方は仕様書や提案書もポートフォリオに盛り込むとよいだろう。ラフスケッチやワイヤーフレームなどの資料をのせてもよい。

立体作品、模型などは写真に撮ってみせるとよい。

最初のページはいきなり作品をみせず、プロフィール、連絡先、スキル一覧、デザインに対する考え方をみせてもよい。

注意したいのは、ポートフォリオをつくっているとつい自分視点になってしまうことだ。
あまり説明をしなくても、ぱっと見ただけで担当者は作品をわかってくれるだろうと思いがちである。ところが意外に伝わらないものだと考えたほうがよい。

そのため、作品の担当箇所やコメントはいれたほうが良い。また作品も多すぎるより、代表作に絞り込んでみせたほうがよい。みる側の事情を考えると、限られた選考時間の中で応募者のスキルや考え方を知りたいのである。選考時間は、応募者数にもよるが、1分くらいと考えてほしい。1分くらいで伝わるような構成にしよう。

最後にコメントを読み返しひとりよがりの表現や曖昧な表現、ありきたりな表現になっていないかをチェックしよう。

役割箇所は明確に明記する

注意したいのはActionScriptやPHPなどのプログラムをつかった作品である。プログラム部分は他の人に手伝ってもらった場合やサンプル集の流用の場合は、しっかりデザインのみを担当と明記しておくことである。相手を誤解させてはいけない。同様にイラストや素材集を使った場合も、明記しておこう。あくまで自分ができることをアピールするというのを忘れずに。

分業やコラボレーションでつくった作品でもグループワークができるという点でも評価されうる。一人ですべてこなすタイプより、うまくコラボレーションできるタイプを好む会社もある。Web制作会社に限っていえばコラボレーションできる人を求めているところがほとんどだろう。分業やコラボレーションは堂々とアピールしてほしい。

この役割分担ははっきり書かない人が多い。プラグラミングは違う人がやったり手伝ってもらったのに自分の手柄にしてしまうケースである。嘘をついても入社してからクビになってしまうだけである。役割箇所は正確に正直にかこう。

サンプルプログラムの流用はスキルとしてはアピールできない

よく本のサンプルをそのままつかって、スキルがありますと書かれる人がいる。
例えば、PHPのコードを本などをそのまま流用してもスキルとしてはアピールできない。入社してから全然プログラムが書けないと最悪クビになってしまう。プログラム系は出来る出来ないがはっきり結果がでてしまう。

ポートフォリオ作りに最適なクリヤーブックはこれ

面接のたびにポートフォリオのページの構成は入れ替えたり、増やしたりといった修正を何度も行うことになるだろう。実際に面接にいくとこの修正作業は必ず入るだろう。例えば、エンタメ系をメインでつくっている会社だとオーソドックスなデザインはあまりアピールにならない。応募する先にあわせて作品の構成を検討するとよい。このとき通常のクリアファイルだと入れ替え作業が大変になってしまう。

クリアファイルを買うときは着脱可能なリング形式がおすすめである。また用紙サイズはA4でかまわない。ポケット数の増減や入れ替えが簡単にできるものを選びたい。

基本的にはクリアファイルなどに作品をはさんでつくっていくのが基本だが、わざとクリアファイルにはさまない人もいる。さきほどあげた構成要素がしっかりはいっていれば大丈夫である。

制作途中の素材もアピール材料になる

カンプをつくる前に紙に鉛筆でスケッチをするデザイナーは多い。そういう人はスケッチもポートフォリオに加えるとよい。スケッチブックに描いている人であれば、スケッチブックをまるまる面接でみせてもよい。

もちろん小さなメモ帳にかいたものでもかまわない。国民的建築家の安藤忠雄さんの展示会にいくと模型や図面だけでなく紙ナプキンの裏に描いたスケッチも展示されていたりする。途中何案かつくる場合、ボツになった案も材料になる。

制作の途中過程が伝わるみせ方で、ぐっと魅力的なポートフォリオになる。

ポートフォリオの作品数

ポートフォリオの作品数は多ければいいというものではない。実績のある制作会社によっては分厚いファイルをわざとみせる場合があるが、個人でこれからWebデザイナーになりたい人がたくさんみせる必要はない。もちろん量をつくってインパクトをだす戦略もあるだろう。

一般的には面接担当の人の負担を考えると作品数は3つがベターだろう。自分の作品をベスト3にしぼってみよう。作品数より作品の質にこだわりたい。作品が多くても作り込んだものがないとアピールできない。担当者や現場の制作者をあっといわせる光るものがひとつでもあれば、成功である。

作品数が少ないとき

Webサイトの作品の場合、ひとつのWebサイトをつくるのに時間がかかる。この場合は、スクリーンショットを多めにとってひとつのサイトをたっぷりみてもらう構成にしよう。サイトコンセプト、サイトマップ、ワイヤーフレーム、ラフスケッチなどのプランニング資料、制作過程の資料もアピール材料になる。

『藤本壮介|原初的な未来の建築』は建築家藤本壮介さんのポートフォリオなのだが、ただ作品をみせるのではなく作品のコンセプトとなったアイディアや考え方を図やスケッチで表現している。また1等当選しなかったコンペ案もひとつのプロジェクトとして紹介している。落選例もポートフォリオの一要素になりうる。分野は違うがポートフォリオを作る人の大きな参考になる本だ。

ポートフォリオの醍醐味はその場の反応がわかること

面接でその場でポートフォリオをだすと、だいたいその場でみてもらえる。アドバイスをもらえることも多い。また何も言われない場合もある。表情をよく観察してほしい。

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